源泉徴収税額の計算方法|フリーランスの報酬と請求書の書き方
2026年10月25日更新
フリーランスが法人から受け取る報酬の中には、所得税があらかじめ差し引かれて支払われるものがあります。これを源泉徴収といい、差し引かれる金額は、報酬額に決まった税率をかけて求めるしくみです。
本記事では、源泉徴収税額の計算方法や対象になる報酬、請求書への書き方について、計算例を交えて解説します。請求額と入金額が合わずに困った経験がある方は、ぜひ参考にしてください。
源泉徴収とは
源泉徴収とは、報酬を支払う側が所得税と復興特別所得税を差し引いて国に納める仕組みのことです。差し引かれた税金は、報酬を受け取った側の所得税の前払いとして扱われます。確定申告で1年分の所得税を計算し、前払いが多すぎた分は還付、足りない分は追加で納めます。
源泉徴収が行われる報酬の例
源泉徴収の対象となる主な報酬は以下の通りです。
- 原稿料、イラスト・挿絵の報酬
- デザインの報酬
- 講演料、セミナー講師の報酬
- 翻訳・通訳の報酬
- 写真の撮影料
一方で、システム開発やプログラミングの報酬は、原則として源泉徴収の対象外です。Webサイト制作のように複数の作業を含む場合は、デザインにあたる部分が対象になることもあります。
源泉徴収が行われない場合
報酬を支払う相手が、従業員を雇っていない個人事業主などの場合は、源泉徴収の義務がありません。同じ仕事でも、取引先によって源泉徴収されたりされなかったりするのはこのためです。
源泉徴収税額の計算方法
源泉徴収税額は、報酬額に応じて以下の税率で計算します。
| 報酬額 | 計算方法 |
|---|---|
| 100万円以下の部分 | 報酬額 × 10.21% |
| 100万円を超える部分 | (報酬額 − 100万円)× 20.42% + 102,100円 |
10.21%は、所得税10%に復興特別所得税(所得税の2.1%)を加えた税率です。計算結果の1円未満の端数は切り捨てます。
消費税は含めなくてよい
請求書で報酬額と消費税額がはっきり分かれていれば、税抜きの金額をもとに源泉徴収税額を計算できます。消費税を区分せずに税込金額だけを書いた場合は、税込金額が計算の基準となってしまうため注意してください。
計算例
デザイン料30万円(税抜)を請求する場合の計算は以下の通りです。
| 報酬額(税抜) | 300,000円 |
|---|---|
| 消費税(10%) | 30,000円 |
| 合計(税込) | 330,000円 |
| 源泉徴収税額 | 300,000円 × 10.21% = 30,630円 |
| ご請求金額 | 330,000円 − 30,630円 = 299,370円 |
報酬が150万円(税抜)の場合は、(150万円 − 100万円)× 20.42% + 102,100円 = 204,200円が源泉徴収税額です。
請求書への書き方
源泉徴収される報酬を請求するときは、請求書に次の順で金額を並べるとわかりやすくなります。
- 報酬額(税抜)と消費税額
- 合計金額(税込)
- 源泉徴収税額(マイナス表示)
- 差引後のご請求金額
交通費や宿泊費を報酬と一緒に請求する場合、その金額も原則として源泉徴収の対象に含まれます。取引先が交通機関やホテルに直接支払う場合は、源泉徴収の対象外です。
よくある質問
源泉徴収された分は損をしているのですか?
損をしているわけではありません。差し引かれた税金は所得税の前払いなので、確定申告で精算されます。経費が多い年などは、前払いした分の一部が還付されることもあるでしょう。
源泉徴収税額は請求書に書かないといけませんか?
書く義務はありません。ただ、取引先が支払額を計算する手間が省け、入金額の確認もしやすくなるため、書いておくのが親切です。
まとめ
源泉徴収税額は、報酬額が100万円以下なら10.21%、100万円を超える部分は20.42%で計算します。請求書で消費税を区分しておけば、税抜きの報酬額をもとに計算できます。
請求書に源泉徴収税額と差引後の金額を書いておくと、取引先とのやり取りもスムーズになるはずです。迷ったときは、取引先や国税庁の情報で確認してください。
参考:国税庁「No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき」
「源泉徴収税額を差し引く」にチェックを入れるだけで、源泉徴収税額と差引後のご請求金額を自動で計算します。100万円を超える報酬の計算にも対応しています。
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