登録番号がない請求書は使える?免税事業者の請求書と2026年10月からの経過措置
2026年10月25日更新
インボイス制度に登録していない免税事業者でも、請求書を発行して代金を受け取ることは問題なくできます。ただし、登録番号がない請求書を受け取った取引先は、消費税の仕入税額控除を全額受けられません。
本記事では、登録番号がない請求書の扱いや書き方、取引先側に適用される経過措置について解説します。2026年10月から控除の割合が変わったため、取引先から登録について聞かれている方は、ぜひ参考にしてください。
登録番号がない請求書も発行できる
請求書を発行することに、インボイス制度への登録は必要ありません。登録していない事業者は、登録番号の欄を設けずに、従来どおりの請求書を発行します。
反対に、登録していないのに登録番号を書いたり、架空の番号を書いたりすることは禁止されており、罰則の対象です。登録番号は「T」と13桁の数字で構成され、国税庁の公表サイトで誰でも確認が可能です。
登録番号がない請求書の書き方
登録番号がない場合でも、次の項目を書いておくと取引先が処理しやすくなります。
- 発行者の名前、取引年月日、取引内容
- 税率ごとの合計金額と消費税額
- 受け取る事業者の名前
取引先は、登録番号がない請求書でも、一定の事項が書かれた請求書と帳簿を保存すれば、経過措置による控除を受けることが可能です。
取引先に適用される経過措置
免税事業者から仕入れた場合でも、取引先は経過措置により、消費税額の一定割合を控除できます。令和8年度の税制改正で、経過措置のスケジュールは以下の通り見直されました。
| 仕入れの時期 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 2023年10月〜2026年9月 | 80% |
| 2026年10月〜2028年9月 | 70% |
| 2028年10月〜2030年9月 | 50% |
| 2030年10月〜2031年9月 | 30% |
| 2031年10月以降 | 控除なし |
2026年10月からは控除できる割合が80%から70%に下がりました。取引先にとっては、免税事業者との取引で負担する消費税が少しずつ増えていくことになります。
取引先の負担はどのくらい増えるのか
たとえば、免税事業者に11万円(うち消費税相当額1万円)を支払った場合、2026年10月以降に取引先が控除できるのは7,000円です。残りの3,000円は、取引先の負担となります。取引の金額が大きいほど負担も増えるため、登録を求められたり、価格の相談を受けたりする場合があるでしょう。
インボイスに登録するか迷ったときのポイント
登録するかどうかを考えるときのポイントは以下の通りです。
- 取引先が企業中心か、一般消費者中心か
- 登録後に納める消費税の額
- 使える特例の有無
順に解説します。
取引先が企業中心か、一般消費者中心か
取引先の多くが一般消費者や免税事業者であれば、登録しなくても影響は小さくなります。一方で、課税事業者の企業との取引が中心なら、登録していないことが取引の継続に影響する可能性も考えておきましょう。
登録後に納める消費税の額
登録すると課税事業者になり、売上にかかる消費税を納める必要が出てきます。手取りがどのくらい減るのか、事前に計算しておくことが大切です。
使える特例の有無
登録で免税事業者から課税事業者になった方が使える「2割特例」は、2026年9月30日を含む課税期間で終了しました。個人事業者の場合、2026年分の申告まで使えます。その後は、個人事業者を対象に、2027年分・2028年分の申告で使える「3割特例」が設けられています。適用には基準期間の売上高などの要件があるため、税務署や税理士に確認しておくと安心です。
まとめ
登録番号がない請求書でも、取引の代金を請求することはできます。ただし、取引先が控除できる消費税の割合は2026年10月から70%に下がり、その後も段階的に縮小していきます。
取引先との関係や、自分が納めることになる消費税の額を比べたうえで、登録するかどうかを判断してください。
参考:インボイス制度の経過措置とは?2026年10月から70%控除へ(keihi.com)、インボイス経過措置はいつまで?8割控除は2026年9月末・10月から70%へ(道濟会計事務所)
登録番号は入力しても空欄のままでも請求書を作成できます。インボイスに登録している方は番号を入れるだけで、適格請求書に必要な項目がそろいます。
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